連環(Catena)の使い方
主張・根拠・論拠などをノードとして配置し、それらの依存関係をエッジで結ぶことで、 論証の構造をグラフとして組み立てる機能です。文章では見えにくい「どの主張がどの根拠に 支えられているか」を可視化できます。
連環とは
ノードには6種類あり、トゥールミン記法(実務向け)と幾何学記法(スピノザの 『エチカ』のような哲学書向け)のどちらの語彙でも表示を切り替えられます。
- Claim(主張)/ Propositio(命題)
- Grounds(根拠)/ Axioma(公理)
- Warrant(論拠)/ Demonstratio(証明)
- Backing(裏付け)/ Definitio(定義)
- Rebuttal(反証)
- Qualifier(限定条件)/ Scholium(注解)
ノード間の関係(エッジ)は「支持する」「反駁する」「前提とする」の3種類です。
グラフを作る
「連環」の「作成する」から、ログイン済みなら誰でも新しいグラフを作れます。単体のグラフとして 作るほか、自分が書いた記事の詳細ページにある「論証グラフを添付」からも作成でき、 その場合は記事に紐づいたグラフとして扱われます(記事側には「論証グラフを見る」 リンクが表示されるようになります)。サークルのページからは、そのサークルの メンバー全員で共同編集できるグラフも作成できます(詳細は「サークルグラフ」参照)。
正典グラフ
原典テキスト1つにつき1本の、みんなで育てる共有の土台です。承認済みの原典テキストの 詳細ページに「論証グラフ(正典)を作成する」が表示されます(登録から一定期間・ 編集実績のある利用者のみ作成できます)。正典グラフはログイン済みなら誰でも編集でき、 保存のたびに「編集要約」の入力が必須です。エッジを追加すると、正典グラフでは 「原典が明示する依存(EXPLICIT)」が既定になります。読み手が補った解釈のエッジ (RECONSTRUCTED)を使うことも禁止はされませんが、1本でもあると画面上部に注意書きが 表示されます。
管理者は用語集と同じ「保護レベル」(保護なし/半保護/全保護)を設定できます。 半保護は登録から一定期間・編集実績のある利用者のみ、全保護は管理者のみが編集できます。
派生グラフ
正典グラフ画面の「派生グラフを作る」から、ログイン済みなら誰でも自分専用の コピーを作れます(フォーク)。ノード・エッジ・原典段落へのリンクをすべて 引き継いだうえで自由に書き換えられ、他の利用者からは見えません(「公開する」を 押すと公開され、URLを知っていれば誰でも閲覧できるようになります)。派生グラフの 画面には「親グラフ」「親との差分」のリンクがあり、差分は追加・削除・変更された ノード・エッジを一覧で確認できます(ノードの同一性は見出し文字列の一致で 判定しています)。正典グラフが更新されると、派生元にしている利用者に通知が届きます。
サークルグラフ
サークルページの「連環(論証グラフ)を見る」から、サークルのメンバー専用の グラフを作成・閲覧できます(メンバー以外には表示されません)。正典グラフと同様、 サークルのメンバーであれば誰が作ったグラフでも編集できます(読書会での共同構築を 想定した方針です)。削除はグラフの作成者のみ行えます。
ノード・関係を編集する
キャンバス上部の種別セレクタで種別を選び「ノード追加」を押すとノードが追加されます。 ノードをクリックすると右側に編集パネルが開き、種別・見出し・本文を編集できます。 本文はMarkdownに対応し、記事本文と同じ[[用語名]]記法で用語集の項目にリンクできます(未登録の用語は点線の下線で作成フォームへの リンクになります)。ノード同士をドラッグでつなぐと関係(エッジ)が作られ、 クリックすると種類・根拠の種別(EXPLICIT/RECONSTRUCTED)・note(なぜこの関係を 張ったか)を編集できます。
Rebuttal種別のノードには「解決済み」チェックがあり、未解決のまま残っていると キャンバス上部に警告が表示されます。グラフに循環があると保存後に警告が出ます。
原典テキストとの結びつけ
正典グラフ・派生グラフのノード編集パネルでは、原典テキストの段落を検索して 紐づけられます(エッジにも「根拠となる段落」を1件設定できます)。紐づけると ノードカードにリンクの件数が表示され、原典テキストの詳細ページ側にも「この段落を 参照しているノード」への逆リンクが表示され、往復できます。訳文が複数言語ある段落は 表示言語を切り替えられます。
ノード単位の反駁
記事に添付されたグラフ(公開済みの記事のみ)では、各ノードカードに「ここを突く」 リンクが表示されます(クリックすると通常の反駁篇作成フローに、どのノードを 突いたかの情報が引き継がれます)。反駁篇を公開すると、突いたノードの属するグラフに 自動でRebuttalノードが追加され、突いたノードから「反駁する(Undermines)」の エッジが張られます。グラフの持ち主が反駁篇の著者と異なっていても、この自動登録は 常に行われます。
羅針盤の命題との対応
トゥールミン・ビューと幾何学ビュー
キャンバス上部の切り替えボタンで、同じデータをトゥールミン記法・幾何学記法の どちらの語彙でも表示できます。幾何学ビューでは主張(Propositio)に自動で連番が 振られ、Warrant(証明)ノードには「Q.E.D.」を表示するオプションがあります。
編集履歴・ウォッチ
キャンバス上部の「履歴」から編集履歴を確認できます。版ごとに追加・削除・変更された ノードやエッジが一覧で表示され、過去の版へ差し戻すこともできます(差し戻しには理由の 入力が必須です。24時間以内に何度も差し戻すことはできません)。「編集をウォッチ」を 押しておくと、そのグラフが編集されるたびに通知が届きます。
保存・書き出し
編集後は「保存」ボタンで確定します。キャンバス上部のYAML/JSONリンクから、 グラフ全体をファイルとして書き出せます。
現時点でできないこと
連環は段階的に機能を追加してきた機能で、羅針盤との接続(命題との対応表、崩落の計算) は既に実装済みです(上記「羅針盤の命題との対応」参照)。現時点で未実装なのは 以下です。
- Markdown/PDFでの書き出し(現時点はYAML/JSONのみ)